潜入者

立ち入ることを拒むジャングルの小道を
最南端の岬へ向かって下っていく

岬では今日一日の仕事を終えた太陽が
今にも帰っていこうとしていて
僕は走って彼を見送る

見送られる彼
彼を見送る僕
それともそれ以外の誰か

こっそり背後から忍び寄るのは
望に妖しく光を反すゆがんだ衛星

その星が加速して
僕らの影を短くする

暗闇をランタンで溶かして
来た道をヤツから逃げる

曲がる道の潅木の陰に
身をうずめて状況を見守る